磁気センサー技術

S-cube製品で使用されている磁気センサー技術の解説

ホール素子

AK0991x シリーズ / AK0997x シリーズ製品で使用

ホール素子はホール効果を用いた素子で英語ではHallと書きます。Hallはホール効果を発見したHall博士の名前に由来し、電流が流れている物体に対し電流に垂直に磁場をかけると電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象に基づいています。

半導体薄膜などに電流を流すと、ホール効果によって磁束密度や向きに応じた電圧が出力されます。このホール効果を用いて磁気を検出する素子のことをホール素子といいます。 (図1)

ホール素子は磁束密度の変化がない静磁場であっても、磁場の有無を検出することができるため、磁石との組み合わせで使う非接触スイッチや、角度センサーから電流センサーまで、様々な用途で使われています。また、ホール素子を用いた地磁気センサは、スマートフォンなどで広く使われています。

図1. ホール素子 (N型半導体) の原理図

磁気抵抗素子

磁気が印加されると抵抗値が変化する材料を用いて磁場を検出する素子を磁気抵抗素子 (MR: Magneto Resistive) といいます。

磁気抵抗素子には、半導体磁気抵抗素子 (SMR) のほか、強磁性体薄膜材料を用いた異方性磁気抵抗素子 (AMR:Anisotropic Magneto Resistive) や巨大磁気抵抗素子 (GMR:Giant Magneto Resistive) 、トンネル磁気抵抗素子 (TMR:Tunnel Magneto Resistive) という4つの種類があります。

AK0994x シリーズではTMR素子を使用し3D磁気センシングを行っています。

トンネル磁気抵抗素子 (TMR)

AK0994x シリーズ製品で使用

強磁性体 (ピン層) -絶縁体-強磁性体 (フリー層) の積層膜で、ピン層とフリー層の磁化が反平行の場合 (a) と、ピン層とフリー層の磁化の向きを揃えた場合 (b) とで、トンネル効果により絶縁体を通過する電子の割合が変化し抵抗値が変化します。低消費電力で非常に微細な磁場を取得することが可能です。

図2. トンネル磁気抵抗素子の原理図

3D磁気センサー

世の中には様々な大きさを持つ磁場が存在しますが、一つのセンサーですべての大きさの磁場を網羅的に測定できるような製品は存在しません。測定したい磁場の大きさだけでなく、用途によっても使用するセンサーの種類が変わってきます。AKMは測定対象磁場の大きさに合わせて、3種類のS-cube製品をラインアップしています。

図3. AK0997xシリーズ

AK0997x シリーズは磁石から発せられるようなミリテスラレンジの大きな磁場を測定するのに最適なセンサーです。

広い測定範囲をもっており、磁石をセンサーの直近に設置した場合でもオーバーフローし難い仕様になっているため、磁石と合わせて使うアプリケーション (例えば開閉検知用途) に適しています。

図4. AK0991x シリーズ

AK0991x シリーズは地磁気のようなマイクロテスラレンジの小さな磁場を測定するのに最適なセンサーです。

電子コンパスとして、スマートフォン等の地図アプリのヘディングアップ用途に多く利用されています。

図5. AK0994x シリーズ

AK0994x シリーズはナノテスラレンジの極小の磁場を測定するのに最適なセンサーです。

弱磁性体やビラリ現象 (逆磁歪効果) で発生するような極微小な磁場も検知できるため、トルクセンサーや微小金属片検知等の用途に活用できると考えています。