ソフトウェア技術 

AK0991x シリーズ製品と組合わせて使われているオフセット調整アルゴリズムDOE  (Dymanic Offset Estimation) の解説

電子コンパスアプリケーションにおける問題点

スマートフォンの地図アプリなどでユーザーが向いている方位の検知に使用されている電子コンパスですが、端末内部で使用されている磁性部品によって正しい方角が得られなくなる場合があります。例えばスピーカなどの磁石を使用している部品は磁気オフセットとなり、電子コンパスに悪影響 (方位各誤差) を及ぼします。

オフセット磁場による方位各誤差をなくすためには、オフセット磁場の影響をセンサが測定したデータから取り除き調整しなければなりませんが、そのためにはオフセット磁場と地磁気を正確に切り分ける技術が必要です。

図1. オフセット磁場と地磁気の概念図

DOEとは?

AKMはオフセット磁場と微弱な地磁気とを切り分け、オフセット磁場の影響を自動で調整する技術 (DOE®) を開発しました。

DOE®はスマートフォンを使用する際に生じる自然な動き (端末を縦に持つ、横に持つ、傾ける等) にともない、地磁気データがオフセット磁場を中心に球体表面上に分布することに着目。スマートフォンが様々な姿勢にある時の磁場データ (分布データP1~P5) からオフセット磁場の大きさ (分布の中心O) を推定し調整することで、誤差の少ない方位角の演算が可能となりました。

例えオフセット磁場の大きさが使用中に変化したとしても、 DOE® はその変化に追従して調整が可能であるためロバスト性の高い調整アルゴリズムといえます。

図2. DOE® の概念図

電子コンパス AK0991x シリーズの普及とともに上記DOE®も世界各地の非常に多くの携帯電話、スマートフォン、タブレットに採用され役立っています。

これらの功績が認められ、平成24年度には当該技術が社団法人発明協会が主催する全国発明表彰の最高賞である「恩賜発明賞」を受賞しました。